1970~2006 年におけるマサバ太平洋系群の四半期別の資源量を推定し,漁期・漁場ごとの漁獲率を推定した。資源量が大きく減少した 1979~1980 年,1986~1990 年に漁獲率が高まり,同時に未成魚の漁獲率が高くなった。資源量の減少に伴い各年級の生残率は徐々に減少した。複数の漁期・漁場をもつ資源動態モデルによる検討の結果,未成魚が集群する漁場における漁獲の抑制が資源の増大・維持に有効であることが示され,許容漁獲量を漁期・漁場へ適切に配分することにより効率よく資源を管理できる可能性が示唆された。