日本水産学会誌
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三宅島の荒廃したマクサ群落における混紡化学繊維生地装着礁の効果検証
滝尾 健二木本 巧高瀬 智洋荒川 久幸
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2012 年 78 巻 1 号 p. 54-61

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抄録

表面を混紡化学繊維生地で覆った棒状のステンレスネジを垂直に固定したコンクリートブロックを,マクサ群落が荒廃した三宅島東岸のオオハシ地先の海底に設置し,マクサ着生状況を調査した。コンクリートブロックのマクサ現存量(湿重量)は,試験区周辺岩礁を上回ったが,試験区周辺岩礁におけるマクサ群落荒廃前の平均的現存量には達しなかった。一方,混紡化学繊維生地にはマクサが速やかに着生し,この部分のマクサ現存量は,設置から約 3 年以上経過後も,マクサ群落荒廃前の平均的現存量を維持していた。

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© 2012 公益社団法人 日本水産学会
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