日本水産学会誌
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人工アユ種苗の遊漁資源としての特性評価:同一環境で継代飼育された 2 系統間の比較
三浦 正之坪井 潤一岡崎 巧大浜 秀規芦澤 晃彦
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2012 年 78 巻 6 号 p. 1149-1158

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抄録

受精直後から同一の環境で飼育された 2 系統(YD 系:鶴田ダム湖由来,YS 系:駿河湾由来)の人工アユ種苗について,河川放流後の捕獲調査から種苗特性を評価した。その結果 YD 系の方が友釣りで釣られやすく,特に漁期の初期に釣られやすかった。また,YD 系の方が成熟が早く,漁期が短かった。河川での冷水病症状の有無についても系統間で差がみられ,YS 系の方が症状の保有率が低く,感染実験でも死亡率が低かった。本研究で,同一環境下で飼育されたアユでも,系統間で放流後の種苗特性が異なることが明らかになった。

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© 2012 公益社団法人 日本水産学会
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