2012 年 78 巻 6 号 p. 1170-1175
えりも岬以東海域で刺網と定置網,桁網で採集したマツカワの成長特性を明らかにした。無眼側耳石の外縁は,4~7 月には不透明帯を持つ個体の割合が増加し,8~12 月には減少していた。透明帯外縁を指標として年齢群に分けたところ,夏季に全長が著しく増加したが,11~5 月にはほとんど成長しないことが判った。4 月 1 日を年齢起算日とし,全長を von Bertalanffy 式に当てはめた。えりも岬以西海域に比べて本海域の方が成長が速い要因として,夏季に成長に適した 20℃ 以下の水温に保たれることが考えられた。