日本水産学会誌
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北海道太平洋側の大陸斜面域漁場における海底表面の起伏と底生魚類の分布
濱津 友紀
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キーワード: MPA, VME, 海底, キチジ, 底魚, 底曳網
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2012 年 78 巻 6 号 p. 1127-1134

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抄録

漁業が海洋生態系に及ぼす影響を明らかにするため,北海道太平洋側大陸斜面域の底魚漁場において,深海ビデオカメラを用いて海底表面の起伏を観察し,起伏の程度と底生魚類の分布の関係を調べた。イラコアナゴ,ソコダラ類,キチジ,スケトウダラ,ゲンゲ類,コブシカジカ,カレイ類などの魚類が観察された。キチジは地形・地質的な起伏が大きい場所を選好し,底層水温が高く地形・地質的な起伏の大きな調査点で分布密度が高かった。キチジの生息環境を良好に維持するためには,起伏に富む海底を保全することが必要であると思われた。

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© 2012 公益社団法人 日本水産学会
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