東京湾の沿岸域と湾中央域で 2001 年 5 月から 2003 年 12 月にアサリ幼生の鉛直分布を調査した。沿岸域では小型幼生は表中層に,大型幼生は底層にそれぞれ多く分布した。同様の鉛直分布は水温 3 区分(15.1~20.0, 20.1~25.0, 25.1~30.0℃)および塩分 2 区分(25.1~30.0, 30.1~35.0)でそれぞれ共通していたことから,沿岸域ではアサリ幼生の鉛直分布位置は成長に伴って深くなり,水温と塩分の影響は小さいと推定した。湾中央域では幼生の大きさと分布深さの関係は明瞭でなかった。