2013 年 79 巻 2 号 p. 198-205
現行の飼育法のもとでは,ウナギ仔魚を育ててシラスウナギを得るためには天然より長い期間が必要である。本研究では,給餌頻度や飼育水温が仔魚の生残および成長に与える影響を解析した。その結果を基に高い飼育水温,高い給餌頻度,複数の水槽への分槽を取り入れた飼育条件を設定し,現行の基本的な飼育条件(対照)と比較して成長が促進されることを示した。その結果として,ふ化から変態完了までの日数が,対照の 303 日に対して 210 日となり,仔魚期が短縮されることを明らかにした。