2013 年 79 巻 3 号 p. 410-415
ミナミダラの強い坐り特性について生化学的に明らかにする目的で,スケトウダラと比較を行った。その結果,ミナミダラは坐り過程においてミオシン重合体の形成がより速やかな事が明らかとなった。ミオシン重合体形成の魚種間差がトランスグルタミナーゼ活性レベルの違いによるものか,或いは基質となるミオシンの感受性の違いによるものか調べた結果,ミナミダラのミオシンは特に強く重合を受けやすいことが示された。以上の事から,ミナミダラの強い坐り特性は,重合反応の基質であるミオシンの生化学的特性に起因することが示唆された。