日本水産学会誌
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比較放流実験によるニシン稚魚の最適放流条件の推定
大河内 裕之中川 雅弘山田 徹生藤浪 祐一郎
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キーワード: 回収率, ニシン稚魚, 放流, 本州
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2014 年 80 巻 3 号 p. 360-370

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抄録

本州でのニシン稚魚の最適放流条件を知るため,岩手県宮古湾を実験海域として,採卵時期が 1 ヶ月異なる平均全長 50 mm と 60 mm の稚魚群を 1998-2003 年に放流し,2000-2006 年に産卵回帰した親魚の回収率を推定した。得られた回収率は 0.01-0.87%であり,中期採卵群より前期採卵群で高く,同じ採卵群であれば 60 mm 群より 50 mm 群が高かった。放流全長に関係なく早期に放流した群ほど回収率が高い傾向があった。春季の水温上昇に伴うニシン放流稚魚への捕食圧の増加が,回収率決定の主要因と考えられた。

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© 2014 公益社団法人 日本水産学会
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