2017 年 83 巻 3 号 p. 361-366
2006-2011年に北海道北部日本海沿岸のたこ箱漁場において,漁業者の操業日誌と漁獲物調査からミズダコの鉛直分布の季節変化と生物学的特徴を把握した。漁獲水深は8-9月に50 m以深,10-12月に40 m以浅,1-2月には30-60 mとなり,4-5月には30 m以浅,6-7月には20-50 mとなった。漁獲個体の大半は体重2.5-10 kgの未成熟であり,主にユムシ,カニ類,魚類,タコ類を摂食していた。これらの結果から,本海域では年2回未成熟個体による季節的な深浅移動があると思われた。