2021 年 87 巻 6 号 p. 608-616
年齢構成をもつが再生産曲線を用いない資源動態モデルを用いた推定方法を開発しニギス太平洋系群の資源量を推定した。データは1980-2018年の漁獲量と資源量指数,1970-2009年の漁獲係数の平均の推定値,生物特性値である。推定値の誤差評価はBootstrap法で行った。Base caseの推定結果では親魚量は965 (SE: 161)-3,069 (515)トンで,20年程度の周期的変動があること,また漁獲係数は徐々に減少し続けていることが示された。推定方法の特色や改良などについて議論した。