論文ID: 17-00014
トラフグはえ縄漁業における底はえ縄と浮はえ縄の釣針選択性の比較を目的に本研究を実施した。操業試験で得たデータを用いて,北原の方法により釣針幅を基準とした釣針選択性を求めた。両漁法の選択性とも,刺し網等の網目選択性に比べて非常に緩やかであった。特に浮はえ縄でその傾向が顕著で,漁具に遭遇した集団をサイズに関係なく漁獲している可能性が示唆された。また,浮はえ縄の設置水深帯には,概ね全長48 cm以下の個体しか分布していない可能性が示され,トラフグは成長に伴い分布が鉛直的に変化する可能性が強く示唆された。