論文ID: 17-00077
天然貝から栄養状態の優れたアコヤガイを選抜育種することを目的に,血清中総炭水化物含量を指標として親貝を選別し種苗生産した。高含量親貝由来の家系は低含量由来に比べ血清中総炭水化物含量が高く,血清タンパク質含量と閉殻筋グリコーゲン含量は高い傾向,閉殻筋の赤色度は低い傾向にあった。高含量由来の家系と継代された日本貝,中国貝由来の2家系を母貝に用い真珠生産試験をした結果,高含量由来の家系は日本貝家系に劣らない成績であった。この結果から血清中総炭水化物含量による天然貝からの選抜が有効であると示唆された。