論文ID: 19-00046
岩手県南部の砂浜域砕波帯仔稚魚相の優占種であるチカ仔稚魚の出現動態を調査した結果,春季から夏季の日中に,仔魚から若魚が内湾の砕波帯に出現することが明らかとなった。胃内容物分析の結果,これらは主に日出から日没にかけてカイアシ類を摂餌しており,日中には砕波帯を摂餌場所として利用していることが示唆された。また,仔稚魚の出現個体数は年変動が大きいことが明らかとなり,その変化は水温に関係して三陸沿岸で共通の変化を示すものと考えられた。主な要因の特定には,より詳細な環境条件の分析が必要である。