論文ID: 20-00064
イセエビの主な漁法である刺網は受動的な漁法であり,イセエビの移動生態は漁獲量と密接に関係すると考えられる。本研究では,本邦のイセエビ研究では初となる音響テレメトリーを用いた高解像度の移動追跡を行い,イセエビの摂餌活動のピークである高水温期の移動情報を蓄積した。追跡した4個体の内,42日間の調査で最後まで移動を追跡できたのは最大の個体だけであった。また最大の個体と最小の個体では測位点の分布や移動の実態が明らかに異なり,本研究の手法により新しい移動知見を得られる可能性を示した。