論文ID: 21-00028
鹿児島湾で広く見られるイソモクとコナフキモク(ホンダワラ科)について,季節的消長と生育環境を調査した。指宿市山川の藻場で見られた両種は水深2 m前後の岩塊上に繁茂していたが,イソモクがより浅所に見られた。両種とも2月頃から生長するが,イソモクが6月頃に成熟するのに対し,コナフキモクは7月から8月頃に成熟し,イソモクの方がより早くに衰退した。しかし,イソモクは残存した付着器上や周辺に新たな幼芽が出現して越夏するのに対し,コナフキモクは直立部が枯死流失し,2月まで個体は見られなかった。