論文ID: 22-00026
薩南海域におけるカンパチ成魚の遊泳行動を取得し,台湾東部海域の既往知見と比較した。薩南海域の個体は台湾東部の個体よりも移動範囲が狭く,放流した海域の近傍に留まり続けていた。海域間で滞在深度は異なっていたが経験水温は同程度であった。核DNAのITS領域とmtDNAのcytochrome b領域の塩基配列情報を用いて標識個体の種判別を試みたところ,形態的にはカンパチであるにも関わらず,ヒレナガカンパチと同様のcytochrome b領域のPCR-RFLPパターンを示す個体が見られた。