論文ID: 22-00062
漁獲量が大幅に減少しているキンメダイBeryx splendensの種苗生産を目指し,精子を冷蔵保存する溶液を開発した。塩濃度,pH等の条件を変えた種々の溶液に精子を懸濁し,一定期間冷蔵保存した精子の運動率を測定した。その結果,わずかに低張のNaCl溶液に低濃度のKClとCaCl2,さらにグルコースとグリシンを加えたpH 7.5の溶液で長期の保存効果が得られ,最長81日間,運動能を保持したまま精子を冷蔵保存することができた。この溶液で24日間冷蔵保存した精子は受精能を保持していた。