東京湾のイシガレイの成熟とそれに伴う肥満度, 摂餌強度等の変化を調べた。生殖腺指数の季節変化から産卵期は12-2,3月であると推定された。標本中の最小成熟体長は雄で130mm, 雌で183mmであった。0歳の成熟個体の出現率は雄では69.1%であったが, 雌では4.5%と低かった。1歳以上の出現率は雌雄ともほぼ100%であった。成魚の肥満度と肝量指数は冬季に最低となることが明らかとなった。その後, 肥満度と肝量指数は摂餌強度のピークから1,2ヶ月遅れて春季に最高となり, 夏季から冬季にかけて低下した。産卵期には特に成熟の進んだ個体で摂餌強度が低かった。主な餌料生物は多毛類, 二枚貝類, 甲殻類, クモヒトデ類であった。