1999 年 65 巻 2 号 p. 230-240
浅海砂底域において夏期に天然・放流マダイ稚魚を潜水観察した。天然魚はなわばりを形成する単独型と群がりが認められたが, 前者が一般的であった。単独型個体は平均約3m2のなわばりを形成し, 同種・仔種を区別した。放流後数日, 人工魚は群がりを形成していたが, 次第に単独型の生活様式に移行した。単独型の人工魚も天然魚同様になわばり行動を示した。横臥行動の強弱と定着との間に明確な関係は認められず, 本行動を種苗性の良否の指標として使用することには, 再考が必要であると考えられた。