日本水産学会誌
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異なる温度条件下におけるスジアオノリのクローン藻体の成長と成熟
平岡 雅規團 昭紀萩平 将大野 正夫
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1999 年 65 巻 2 号 p. 302-303

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抄録

スジアオノリEnteromorpha proliferaの1個体から得られた胞子を白色蛍光灯25μmol/s/m2,明期/暗期=12時間/12時間, 明期6時∿18時の光条件, 10,15,20,25,30℃の5段階の温度下で培養し, 藻体の成長と成熟を観察した。初期の成長は30℃下で最も早かったが, 成熟は最も早く起こり, 成熟による藻体先端部分の流失量が多く藻体長は短かく保たれた。25℃および20℃下も30℃下と同様に成熟したが, 成熟による流出量が少ないため, 30℃下よりも大きい藻体で保たれた。15℃下では成熟による藻体先端からの流失量より成長量が多いため藻体長は増加し続けた。10℃下では成熟せず成長速度は遅く, ゆっくりと藻体長が増加した。この結果は自然条件下でスジアオノリ藻体が15℃前後で最も繁茂することとよく一致することが分かった。

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