2002 年 68 巻 3 号 p. 351-355
平衡石の研磨度合による輪紋計数値の差について検討した。外套長236-292mmのスルメイカ15個体の平衡石の後部面を研磨し,2人の検鏡者が研磨度合ごとに輪紋を計数した。研磨完了は平衡石を半分の厚さに研磨した状態,研磨途中はそれより平均0.04mm厚い状態と定義した。研磨途中では,検鏡者は研磨完了と較べて輪紋数を多く計数する場合と少なく計数する場合があり,検鏡者間の差の平均は43本であった。一方,研磨完了では,輪紋数の平均値はそれぞれ188本と192本であり,検鏡者間の差は4本に滅少した。