膵臓
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総説
急性膵炎の発症と重症化の分子機構
広田 昌彦大村谷 昌樹馬場 秀夫
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2006 年 21 巻 2 号 p. 47-55

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抄録
膵腺房細胞内においてaccidentalにトリプシノーゲンからトリプシンへの活性化を生じた場合,通常は,first line defenseとしての膵分泌性トリプシンインヒビター(pancreatic secretory trypsin inhibitor:PSTI)がトリプシン活性を阻害するため,膵腺房細胞障害は惹起されない.ところが,過度の膵腺房細胞刺激によって,PSTIの阻害能を超えたトリプシンの生成が起きると,ひきつづいて生じる連鎖的な諸プロテアーゼの活性化によって膵構成細胞が障害される.これが急性膵炎の主要な発症機構である.また,虚血,自己消化,SIRS/sepsisの三病態が急性膵炎を重症化に導く主要な機構である.トリプシン,トリプシンレセプター(protease-activated receptor-2:PAR-2),サイトカイン,エンドセリンを,上記三病態の発症において中心となる分子として紹介した.
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© 2006 日本膵臓学会
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