膵臓
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症例報告
膵全体の腫大をきたし自己免疫性膵炎との鑑別を要した悪性リンパ腫の1例
山口 裕也山縣 元平瀬 伸尚塩崎 宏桑野 晴夫渡辺 次郎
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2006 年 21 巻 2 号 p. 70-75

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抄録
症例は83歳男性.心窩部のつっぱり感を自覚し当科受診.血中膵酵素の増加とCTにて膵全体のソーセージ様腫大を認め,自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)が疑われ入院となった.ERCPでも膵体部を中心に主膵管の狭細化を認めAIPが強く疑われたが自己抗体,IgG,IgG4の増加を認めず確診にいたらなかった.一旦退院となるも退院2日後より排便困難が出現し再入院.大腸内視鏡で直腸の狭窄と粘膜の浮腫を認め,CTでは膵腫大に加え新たに腹水を認めた.直腸生検にて異型リンパ球の粘膜内浸潤を,また腹水中にも異型リンパ球を認めたため可溶性IL-2レセプター(sIL-2R)を測定し3,183U/mlと高値を確認,悪性リンパ腫と診断した.化学療法(THP-COP)にて膵腫大,膵管狭窄は改善し腹水は一旦消失したが,その後短期間のうちに治療抵抗性となり呼吸不全にて死亡した.
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© 2006 日本膵臓学会
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