膵臓
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原著
膵星細胞は血管新生を誘導する
正宗 淳菊田 和宏渡邊 崇佐藤 賢一下瀬川 徹
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2008 年 23 巻 5 号 p. 587-593

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抄録

膵星細胞は慢性膵炎や膵癌の際の線維化形成に中心的役割を果たす.最近,膵星細胞の多彩な細胞機能が明らかとなっている.今回,膵星細胞の血管新生誘導能について検討した.膵癌切除膵組織よりヒト膵星細胞を分離した.膵星細胞培養上清(CM)を作成し,ヒト臍静脈血管内皮細胞の増殖,遊走,細胞内シグナル伝達系に与える影響を検討した.更に,3次元管腔構造形成(in vitro血管新生能)ならびにヌードマウスの皮下でのin vivo血管新生誘導能についても検討した.CMは血管内皮細胞の増殖と遊走を刺激した.CMはERK系ならびにAkt系を活性化し,CMによる増殖ならびに遊走誘導は,これらのシグナル伝達系の抑制剤であるU0126およびwortmanninにより抑制された.CMは,in vitroおよびin vivoにおいて血管新生を誘導した.本研究により膵星細胞が血管新生能を有することが示された.

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© 2008 日本膵臓学会
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