膵臓
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特集:膵疾患画像診断における最近の進歩
膵疾患診断における造影ハーモニック超音波内視鏡検査の有用性
北野 雅之小牧 孝充坂本 洋城今井 元鎌田 研工藤 正俊安田 武生竹山 宜典
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2011 年 26 巻 1 号 p. 23-28

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抄録
超音波内視鏡検査(EUS)は他の画像診断と比較すると高解像度のため,2cm以下のTS-1膵癌の診断に有用である.しかしながら,EUSにて低エコー腫瘤として描出された病変でもその鑑別診断に難渋する場合がある.筆者らはEUS領域において造影ハーモニック法による膵実質染影像の撮像を可能にしたシステムを開発した.造影ハーモニックEUS検査(CH-EUS)により膵充実性病変はAvascular,Hypovascular,IsovascularおよびHypervascularの4パターンに分類される.通常型膵癌をHypovascularパターンとした場合,CH-EUSによる膵癌診断の感度および特異度はそれぞれ89~96%および64~89%であり,特にTS-1膵癌における診断能はMDCTを凌駕していた.さらに,CH-EUSは,膵管内乳頭粘液性腫瘍における壁在結節に血流が存在することで,粘液塊との識別を容易にした.
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© 2011 日本膵臓学会
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