抄録
2010年に公表された自己免疫性膵炎の国際診断基準(ICDC)は,優れた診断能を有した診断基準であるが,専門家用につくられており,一般医家が使用するには若干複雑である.自己免疫性膵炎臨床診断基準2011(JPS2011)はICDCに準拠しながらも,2型自己免疫性膵炎が稀である日本の実情を考慮し,1型自己免疫性膵炎を診断する診断基準として作成された.日本の自己免疫性膵炎の臨床現場では,一般医家がJPS2011を用いて診断する場合と,専門家がICDCを用いて診断する場合の両方が想定される.今回提示するアルゴリズムは,一般医家が診断できる範囲と,専門家へ紹介すべきタイミングを明記し,両者を橋渡しするように作成した.