膵臓
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I.ガイドラインの主な改訂点(急性膵炎診療ガイドライン2015)
I-3.Abdominal compartment syndromeの診断と対処
白井 邦博
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2015 年 30 巻 6 号 p. 748-754

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抄録

急性膵炎は重症化すると,腹腔内圧(intra-abdominal pressure:IAP)が亢進して重篤な合併症を起こすことがある.World Society of Abdominal Compartment Syndromeは,IAP≧12mmHgが持続または反復する場合をintra-abdominal hypertension(IAH),IAP>20mmHgが持続して新たな臓器障害/不全が発生した場合をabdominal compartment syndrome(ACS)と定義している.重症急性膵炎におけるACSの発症率は4~6%だが,致死率は47.5%と高率で臓器不全数が多く,敗血症や続発性膵感染症など合併率も高い.このため,高い重症度やCTで複数部位液体貯留,大量輸液,腎障害や呼吸障害を認めた場合は,経時的なIAP(膀胱内圧)測定が必要である.IAH/ACSの治療は,IAP≦15mmHgを管理目標として,消化管減圧,腹腔内減圧,腹壁コンプライアンスの改善,輸液負荷の適正化,全身/局所の適正循環管理の内科的治療を行う.しかし,侵襲的なドレナージ術を含めた内科的治療抵抗性の場合は,外科的減圧術を考慮する.

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© 2015 日本膵臓学会
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