2015 年 30 巻 6 号 p. 773-776
慢性膵炎診療ガイドラインが2015年に改訂され,新規糖尿病治療薬であるインクレチン関連薬の慢性膵炎に伴う膵性糖尿病の使用についてのClinical Questionが追加された.現在のところ,慢性膵炎の糖尿病に対するインクレチン関連薬の有効性を示すエビデンスの報告はなく,診療の上でベネフィットがリスクを上回ると判断した場合に限って使用することが提案された.さらに,sodium glucose co-transporter 2(SGLT2)阻害薬も新たに登場してきたが,現在のところインクレチン関連薬と同様に慢性膵炎に合併する糖尿病に関しての有効性を示すエビデンスはない.