膵臓
Online ISSN : 1881-2805
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特集 膵内・外分泌機能をめぐる現状と展望
5.Cystic fibrosisにおける膵機能の評価と治療
石黒 洋藤木 理代近藤 志保中莖 みゆき小澤 祐加谷口 いつか成瀬 達山本 明子
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2017 年 32 巻 4 号 p. 699-705

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抄録

cystic fibrosisは,CFTRの遺伝子変異を原因とする多臓器疾患である.CFTRは全身の上皮膜においてClとHCO3の膜輸送を担っているため,機能喪失は様々な障害をきたす.典型的な症例では,生直後に胎便性イレウスを起こし,気道感染症を繰り返し,2歳頃までに膵外分泌機能不全の状態になり栄養・成長不良をきたす.膵の画像所見としては,脂肪置換あるいは萎縮を呈する症例が多い.予後に直接影響するのは呼吸器病変の重症度であるが,低栄養状態と肺機能は逆相関する.そのため,膵外分泌機能を早期に評価し,膵酵素補充療法により栄養状態を良好に保つことが重要である.便中エラスターゼは,膵外分泌機能不全の有無を簡便に判定でき,感度,特異度ともに高い.気道の慢性感染症と咳そうによる消耗が加わるため,腸溶性の消化酵素製剤を充分に補充して,小児の場合,健常者よりも30~50%多いカロリーを摂る必要がある.

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© 2017 日本膵臓学会
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