当科における膵切除後症例の膵内・外分泌機能の術後成績を紹介し,膵切除術における機能温存の考え方について述べた.膵切除後の膵内・外分泌機能不全は,膵頭十二指腸切除術,膵体尾部切除術で,それぞれ,41.0%・65.5%,30.8%・26.4%と高率に認められた.単変量・多変量解析で,これら膵内・外分泌機能不全の危険因子を検討すると,膵内・外分泌機能不全ともに,膵切除後の残膵体積のみが独立した有意な危険因子であった.以上より,膵切除後の膵内・外分泌機能の機能温存のためには,膵切後の残膵体積を維持することが重要で,残膵の萎縮に繋がる膵消化管吻合の狭窄,閉塞を来さない丁寧な膵消化管吻合の手技が重要であることが示唆された.また,膵切除後の膵内・外分泌機能不全症例には十分量の膵酵素とインスリンの投与が重要である.