2020 年 35 巻 1 号 p. 69-74
切除不能膵癌に対する化学療法は,局所進行と遠隔転移を分けた推奨と,化学療法の継続期間について検討した.遠隔転移例に対する1次化学療法では,ゲムシタビン(GEM)単独を対照としたFOLFIRINOX療法,あるいはGEM+ナブパクリタキセル併用療法による第III相試験により生存期間の延長が証明された.その結果,この2つが遠隔転移例に対する第一選択の治療として推奨されている.局所進行例ではこれらの治療法は十分なエビデンスがないものの,GEM単独あるいはS-1単独と同レベルで推奨されている.2次化学療法は延命効果が示されており,実施することが推奨され,1次化学療法に応じてフルオロウラシル関連あるいはGEM関連レジメンを用いる.高頻度マイクロサテライト不安定性であればペムブロリズマブの有効性が期待できる.化学療法は継続困難な有害事象の発現または病態の明らかな進行まで継続することが適当である.