膵臓
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特集 膵疾患の病理学的診断の現状と課題
がん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)
林 秀幸西原 広史
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2020 年 35 巻 4 号 p. 313-321

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抄録

本邦においてもがん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)が保険診療下で実施可能となり,がんゲノム医療の臨床実装が進んでいる.個々の患者にとって最適な治療方針を探るための参考情報として,包括的なゲノムプロファイルを取得することが検査の本来の目的である.しかし,現状では保険適用での対象患者は標準治療がない固形がん患者,または標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む)で,全身状態・臓器機能等から検査後に化学療法の適応となる可能性が高い患者に限定されており,十分に活用できてない.検査の結果に関しては,エキスパートパネルにおいて検出された各遺伝子異常に対し,臨床的意義付けが行われ,個々の患者の治療方針が議論される.しかし,検査後の治療実施率は約10%と不十分な結果であり,最適な検査実施時期の検討,治療機会の向上を目指した治療実施体制を構築することが今後の課題である.

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© 2020 日本膵臓学会
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