膵臓
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総説
ラット膵上皮細胞の配列
芦澤 信雄
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2023 年 38 巻 5 号 p. 303-317

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抄録

ラット膵組織連続切片を光学顕微鏡と透過電子顕微鏡で観察し,膵上皮細胞の配列について検討した.介在部導管細胞列に1個から数個の大型の腺房細胞が分泌細管とともに内腔に達するまで差し込まれていて,それに連結する腺房細胞群は介在部導管基底面に向かい基底膜を介さずに接着し,介在部導管腔へと繋がる分泌細管を接着面に形成しながら導管周囲をとり囲んでいた.ほとんどのランゲルハンス島(ラ氏島)周囲基底膜は複数箇所で欠損し,そこでは腺房細胞または介在部導管細胞がラ氏島外側面に接着して接着面に分泌細管または介在部導管腔を形成していた.以上から,発生の過程で未熟な膵導管末梢部に内分泌細胞,続いて腺房細胞が分化・出現し,それぞれ外側に向かって増生するが,隣接する内分泌細胞群同士は融合してラ氏島を形成し,その後に腺房細胞が導管とラ氏島の外側面に向かって分泌細管を形成しながら基底膜を介さずに接着して増生すると推察された.

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© 2023 日本膵臓学会
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