2023 年 38 巻 5 号 p. 318-327
【背景】1cm以下の早期膵癌を見つけるためには腹部超音波検査(AUS)における膵癌間接所見とリスクファクターから一般診療医が拾い上げることが重要である.
【目的】膵癌に対する意識調査の結果を報告する.
【方法】神奈川県内科医学会会員1,465人にアンケート調査を行った.
【結果】回収126人(平均年齢61.6歳).91%の施設で超音波装置保有.膵癌のAUS間接所見やリスクファクターに関しての認知度は高く,適切な対応がなされていた.AUSによる主膵管正常径の認知度や主膵管描出能に関しては消化器専門医が非専門医と比べて有意に優れていた(P<0.05).リスクファクターである糖尿病に関して,増悪時には行われている画像検査が,初診時には行われていない傾向が有意に認められた(P<0.05).
【結論】膵癌早期発見のために,糖尿病患者に対する初診時・増悪時の画像検査の積極的な介入が重要である.