膵臓
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症例報告
膵癌患者におけるBRCA遺伝学的検査とHBOC診療の課題
藤本 康二小松原 隆司光岡 英世結縁 幸子
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キーワード: 膵癌, HBOC, BRCA, サーベイランス
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2024 年 39 巻 2 号 p. 159-166

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抄録

遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)の原因遺伝子であるBRCA2に病的バリアント(PV)を認めた膵癌患者を2例経験した.症例1は40代女性.膵頭部癌術後5年が経過し,明らかな再発はなし.家族歴として母方血縁者4人が膵癌で,その中の1人に他院でBRCA2にPVがみつかった.患者からの希望で遺伝学的検査をおこないBRCA2にPVを検出した.症例2は60代女性.40代で胃癌,50代で乳癌の既往あり.膵頭部癌術後3年が経過し,明らかな再発はなし.乳癌の既往があるためHBOCの可能性を指摘され,遺伝学的検査をおこないBRCA2にPVを認めた.現時点で膵癌患者におけるBRCA遺伝学的検査は,コンパニオン診断のみが保険適応であり,乳癌や卵巣癌のようにHBOC診断目的での検査は保険収載されていない.今後,膵癌患者でのBRCA遺伝学的検査の適応拡大を含めて,HBOC診療における適切な対応策が望まれる.

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© 2024 日本膵臓学会
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