膵臓
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特集 EUS-FNA/B の進歩と課題
消化器外科医の立場からみた膵腫瘍に対するEUS-FNA/Bのメリットとデメリット
加藤 宏之浅野 之夫伊東 昌広荒川 敏志村 正博小池 大助多代 尚広越智 隆之河合 永季安岡 宏展東口 貴彦国村 祥樹谷 大輝堀口 和真近藤 ゆか永田 英俊佐藤 美信加藤 悠太郎花井 恒一橋本 千樹堀口 明彦
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2024 年 39 巻 5 号 p. 325-333

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抄録

膵腫瘍に対するEUS-FNA/Bによる術前診断の適応は近年,拡大している.通常型膵癌と比較的稀な低悪性度腫瘍や非通常型膵癌とをEUS-FNAによって術前もしくは治療前に鑑別することで,適切な治療方針や術式を選択できる.一方で,膵尾部癌に対するEUS-FNA/Bはneedle tract seedingを起こす可能性があるため,十分に注意する必要がある.膵嚢胞性腫瘍に対するEUS-FNA/Bは本邦では腹膜播種や嚢胞破裂を危惧してほとんど行われていないが,欧米では嚢胞内容液を用いた悪性度診断や鑑別診断が一般的に行われている.神経内分泌腫瘍に対する術前Grade予測診断は最近10年では85%前後の正診率が得られることが報告されている.充実性偽乳頭状腫瘍に対するEUS-FNAは神経内分泌腫瘍や膵腺房細胞癌との鑑別に有用だが,腹膜播種や腫瘍破裂の症例報告を認めるため施行には十分な注意が必要である.

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© 2024 日本膵臓学会
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