2024 年 39 巻 5 号 p. 334-341
背景:粘液線維肉腫は四肢体幹に好発する悪性軟部腫瘍の一つである.我々は傍脊柱起立筋原発の粘液線維肉腫が7年後に膵転移をきたした症例を経験した.
症例:87歳,男性.腹痛精査目的の造影CT検査で膵体尾部腫瘍を認めたため紹介受診した.7年前に傍脊柱起立筋原発の粘液線維肉腫に対して切除後,無再発で経過していた.造影超音波内視鏡検査で膵体尾部に内部血流豊富な分葉状間葉系腫瘍を認めた.開腹脾合併膵体尾部切除術を施行し,病理学的に7年前に切除された傍脊柱起立筋原発の粘液線維肉腫の膵転移と診断した.
考察:粘液線維肉腫は様々な固形臓器に転移する特徴があり,初回手術から長期間経過後に再発する傾向が見られた.転移性膵肉腫自体が稀であり,正確な診断と治療の困難性,治療選択肢の限界が課題である.
結語:粘液線維肉腫の膵転移に対する外科的切除により1年の無再発生存を確認した症例を経験した.