2024 年 39 巻 5 号 p. 316-324
ゲノム解析技術の進歩を背景に,包括的がんゲノムプロファイリング検査(CGP検査)が実臨床に導入された.これら「プレシジョンメディスン」はがん薬物治療の個別化への道を開く一方で,検査に耐えうる十分量の検体採取が困難な例も存在する.膵胆道癌におけるEUS-FNA/Bでは,デバイスを含めたアプローチの選択や穿刺回数の増加,病理部門との連携による標本作製の工夫により,CGP検査の成功率を高めることも可能である.また近年,EUS-FNA/B検体を用いた核酸解析に加えて蛋白発現の評価を行うことで膵胆道癌診断能の向上を図るなど,多角的な分子診断を目指す取り組みが報告されている.病理診断の補完のみならず,病勢把握や再発予測,新規治療法の探索など,今後のゲノム診療がカバーする領域は多岐にわたることが想定され,さらなる発展が期待される.