2026 年 41 巻 1 号 p. 9-17
早期慢性膵炎(ECP)は可逆性であり,進展阻止や膵癌予防の観点から早期診断の重要性が高まっている.Mechanistic definitionによりECPの位置づけが明確化された.これを踏まえて,診断特異度と再現性向上を目的として2019年にECP診断基準が改訂された.この改訂では,EUS所見の集約により観察者間一致率の改善が示された.一方で,EUS所見の主観性,加齢性変化との鑑別,正常膵との連続性評価など,依然として未解決点は多い.近年はEUS-elastographyや最適超音波速度測定により膵硬度を定量評価でき,ApoA2-iやPGE2といったバイオマーカーも病期判定指標として期待される.今後は,画像所見,機能評価,バイオマーカーなどを統合した客観的診断体系を構築することで,ECPに対し,より効果的な医療介入につなげることが求められる.