水泳水中運動科学
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アイデア
指導現場における競泳のスタート技能評価法の提案
―ストップウォッチの利用―
佐藤 進出村 慎一中田 征克北林 保野口 雄慶
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2004 年 7 巻 1 号 p. 67-73

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抄録

本研究では、ストップウォッチにより50 cmまたは100 cm間隔で設定した各区間の通過タイムを計測し、ビデオを用いた場合と同様な分析が可能か否かを検討した。分析内容は、ビデオ映像による分析 (VTR)、ストップウォッチによる分析 (SW)、ストップウォッチによるビデオ映像の分析 (VTR+SW) を設定した。コースロープに50 cmまたは100 cm間隔で貼付したマーカーを泳者の頭部が通過する時間を上述の3つの方法により計測した。ストップウォッチを用いた方法 (SWおよびVTR+SW) の場合、50 cm間隔で正確に測定することは困難であった。100 cm間隔にした場合、SWでは計測が可能であったが、VTR+SWでは正確な計測ができなかった。SWによる100 cm間隔での計測結果とVTRの結果との相互相関係数は、0.70 (ラグ0時) および0.84 (ラグ-1時) と比較的高い一致度を示した。100 cm間隔での計測は細かな水中動作を反映した結果は得られないが、水中でどの程度まで泳速度が低下し、浮き上がり時にどの程度であったかといった情報は提供できると考えられた。

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© 2004 日本水泳・水中運動学会
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