日本海水学会誌
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報文
西部熱帯太平洋の生体活性微量金属に関する研究(2)
-浮遊粒子状物質の個別粒子分析による生体活性微量金属の起源推定-
中口 譲藤田 昭紀中川 蓉子下島 公紀
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2010 年 64 巻 4 号 p. 217-224

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抄録
西部熱帯太平洋表層で浮遊懸濁粒子を採取した.表層の浮遊懸濁粒子を走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線解析装置を用いて個別粒子分析を行い16種類に分類した.St.2,4.6そして7においてはSi-rich粒子が主要な粒子成分であった.St.8においてはS-rich粒子が主要な粒子成分であった.全ての試料採取点において生物起源粒子と陸起源物質双方が観察された生物起源粒子と陸起源粒子の占める割合はそれぞれ15-39%,61-85%であったSt.2,4,7および8への陸起源物質の直接供給の可能性はSt.6にくらべて小さかった.St.7と8の浮遊粒子状物質の起源の一つとしてタブルブル火山からの陸起源物質の寄与が考えられた.
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© 2010 日本海水学会
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