日本海水学会誌
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塩の結晶粒径が食品の味および食感に及ぼす影響
石川 匡子築舘 亜由美
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キーワード: 結晶粒径, 食感, 塩味
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2013 年 67 巻 6 号 p. 340-344

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抄録

塩の結晶粒径が,調理加工に及ぼす影響を明らかにするため,ダイコンをモデルに,粒径が異なる塩を振りかけた際の塩化物イオン濃度,物性値,味の変化について検討した.塩化物イオン濃度は,塩を振りかけてから15分までの短時間では,結晶粒径の影響が確認できたが,30分以上の長時間では,粒径の違いによる差は小さかった.物性値では粒径の違いによる差は認められなかったが,味の変化では,振り掛けてから短時間では塩味の強さ,漬物としての好ましさ共に識別可能であった.以上の結果から,塩を振りかけてから短時間の調理では,塩の粒径の違いによる影響はあるが,長時間になると影響は小さいことが示唆された.

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© 2013 日本海水学会
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