日本海水学会誌
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不溶性フェロシアン化コバルトの担持率を高めるためのセシウム除去用吸着繊維の新規作製経路の提案
後藤 聖太天海 亘藤原 邦夫須郷 高信小島 隆河合 (野間) 繁子梅野 太輔斎藤 恭一
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2014 年 68 巻 5 号 p. 298-304

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抄録
放射線グラフト重合法を適用してグリシジルメタクリレートを6-ナイロン繊維に接ぎ木重合後,トリエチレンジアミン(TEDA)との反応によってアニオン交換繊維を作製した.フェロシアン化カリウム溶液に繊維を浸漬してフェロシアン化物イオンを吸着させ,その後,塩化コバルト溶液に浸漬させた.沈殿生成した不溶性フェロシアン化コバルトが,6-ナイロン繊維に接ぎ木したTEDA構造をもつグラフト鎖に担持された.繊維の不溶性フェロシアン化コバルトの担持率は12%であり,この値は既往の繊維の約2倍に相当した.高い担持率は,海水中でのセシウムイオンの吸着容量の増加につながった.
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© 2014 日本海水学会
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