日本海水学会誌
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ルテニウムを水中から除去するための核酸塩基固定繊維の作製
佐々木 貴明藤原 邦夫須郷 高信河合(野間) 繁子梅野 太輔斎藤 恭一
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2015 年 69 巻 2 号 p. 98-104

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抄録
水中からのルテニウム除去の速度を高めるために,グリシジルメタクリレートの放射線グラフト重合とそれに続く核酸塩基の付加反応によって,核酸塩基を固定した繊維を作製した.6-ナイロン繊維へのアデニンの固定密度は1.2 mmol/gであった.ルテニウム水溶液中の塩化ナトリウム濃度が増加するにつれて,ルテニウムの除去速度は増加した.除去速度がルテニウム濃度の2次に比例して表されることがわかった.さらに,ルテニウムの初期除去速度の温度依存性から,アデニン固定繊維へのルテニウム吸着での活性化エネルギーは,塩化ナトリウム濃度によらず45 kJ/molと算出された.
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© 2015 日本海水学会
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