日本海水学会誌
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放射線グラフト重合法によるレーヨン基材のホウ素除去用キレート繊維の作製
中村 祐樹平山 雄祥藤原 邦夫須郷 高信河合(野間) 繁子梅野 太輔斎藤 恭一
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2016 年 70 巻 4 号 p. 255-260

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抄録
放射線グラフト重合法を適用して,レーヨン繊維にグリシジルメタクリレート (GMA) をグラフト重合した.つづいて,付与したポリGMA鎖にN-メチルグルカミン (NMG) を固定し,ホウ素除去用レーヨン基材キレート繊維を作製した.得られた繊維のNMG基密度は,1.9 mmol/gであった.同様に,6-ナイロン繊維にNMGを1.9 mmol/gの密度で固定したナイロン基材キレート繊維も作製した.2種類の繊維を高さ10 mmで充填したカラムにホウ素溶液を流通させ,ホウ素吸着性能を評価した.150 mg-B/Lの供給液濃度に対する平衡吸着容量は,どちらの繊維でも一致し,15 mg-B/gであった.一方で,空間速度40 h-1でのレーヨンおよびナイロン基材キレート繊維の動的吸着容量は,それぞれ9.4および4.5 mg-B/gであった.
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© 2016 日本海水学会
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