2022 年 76 巻 1 号 p. 55-60
相対湿度の変動周期を制御し,短期間で塩商品の固結性評価を可能とするための加速試験方法を検討した.固結現象は,水分の吸放湿による,結晶の溶解と再結晶が原因であるため,吸湿時における水分増加量が,固結強度に影響するが,さらに吸湿速度の影響を受けていた.具体的には,吸放湿時の水分の変化量を経過時間で累積した値が,固結強度と比例関係にあることから,相対湿度の変動周期を再設定し,固結強度の増加速度がこれまでの標準条件の3 倍となる条件が設定可能となり,従来,56 日必要であった試験期間を20 日へ短縮した.本方法により,様々な塩種の固結性評価が将来可能になると考えられた.