日本海水学会誌
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塩の添加量の違いがウメ干しの保存性に与える影響
中山 由佳野田 寧
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2022 年 76 巻 1 号 p. 61-64

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抄録

ウメ干し作製における食塩の添加量,および添加する食塩中の塩化カリウム含有量を変化させ,ウメ干し製造におけるウメ干しの保存性に与える影響について検討した.食塩の添加量が9 %のウメから真菌が検出され,保存効果の低いことが示された.一方,食塩の添加量を18 %一定として,市販されている低ナトリウム塩を想定し,塩化カリウム含有量の異なる食塩を用いてウメ漬けをした場合,いずれのウメからも一般生菌・真菌は検出されなかった.したがって,塩化カリウムは,塩化ナトリウムと同様に微生物数の増殖を抑える働きのあることが示唆された.このことから,塩化カリウム含有量の異なる塩を用いることで,保存効果を保ちつつ,低ナトリウムのウメ干しを作製できることが示唆された.

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© 2022 日本海水学会
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