日本海水学会誌
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陽イオン交換樹脂を用いる硫酸イオンの定量
海塩試料の自動分析に関する研究 (第3報)
加納 隆弘杉田 静雄
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1980 年 34 巻 1 号 p. 25-30

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抄録
テクニコン製オートアナライザーを用いるイオン交換樹脂 (Bio-Rex70) による海塩試料中の硫酸イオンの自動分析法について検討した. 方法は, 試料溶液を陽イオン交換樹脂カラムで処理し, アルカリ土類金属イオンなどの陽イオンを除去する. 次に, この流出液中の硫酸イオンをMTB-Baコンプレックスのアルコール溶液と反応させ, 硫酸イオンは微細な硫酸バリウム結晶として除かれ, それと同時に定量的に遊離するMTBをアルカリ性の下で灰色に発色させ, その強度を460nmで測定して間接的に定量する. 本法では硫酸イオン100mg/lまでの範囲で吸光度と濃度との間に曲線上昇関係が成立する.
本法は従来から行なわれているクロム酸バリウム法と同程度の精度を有し, 1時間当たり15~20試料を連続的に分析できる.
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