日本海水学会誌
Online ISSN : 2185-9213
Print ISSN : 0369-4550
ISSN-L : 0369-4550
チタン-活性炭系複合吸着剤からのウランの脱着
複合吸着剤を用いる海水からウランの採取に関する研究 (第12報)
広津 孝弘藤井 綾子坂根 幸治加藤 俊作菅坡 和彦宮崎 秀甫
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 35 巻 1 号 p. 16-23

詳細
抄録
チタン-活性炭系複合吸着剤か らの炭酸塩溶液によるウランの脱着について次の結果を得た.
1) 炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム混合溶液による脱着において, 吸着剤からのチタンの溶解は0.15%以下であった.
2) 回分式の場合: 脱着速度は脱着液組成および温度に依存した.炭酸水素ナトリウムの混合比が高くなるにしたがって, 脱 着速度が増加した. また脱着温度の上昇とともに脱着速度は増加した.
3) カラム式の場合: 常温脱着を行なった. ウランの脱着速度は, U=U0(0.419e-0.1625t+0.581e-0.00261t) にしたがった. この式は, 固液比が20%まで, また初期ウラン濃度が15ppm以下の範囲で成り立った. したがって, この条件下では, 脱着速度の低下なしに脱着液のくり返し利用が可能であることが認められた.
4) 脱着後の吸着剤は, 塩酸による洗浄で再生され, 再利用が可能であることが認められた.
著者関連情報
© 日本海水学会
前の記事 次の記事
feedback
Top